Tさんは、バイクで走行中に四輪車と衝突し、左大腿骨骨幹部等を骨折される大けがを負いました。不幸なことに、加害者が加入している保険は自賠責保険しかなく、加害者個人に損害額を支払うことができる資力もない状況でした。
Tさんは、弁護士特約があったものの、その特約を付帯している保険会社(A社)には加害者が無保険車であった場合の怪我を補償する保険はありませんでした。他方で、弁護士特約加入の保険会社とは別の保険会社(B社)には、無保険車傷害保険という保険に加入していました。Sさんは、この無保険車傷害保険を使用しての解決ができないか模索されておりましたが、他の法律事務所に問い合わせしても、弁護士による増額は見込めないと言われ、依頼を受けてもらえませんでした。
無保険車傷害特約は、加害者に任意の対人賠償責任保険が付帯していない場合に、代わりに対人賠償責任保険とほぼ同様の機能を果たします。また、弁護士特約は、通常は、弁護士特約を付帯している保険会社への保険金請求の場合は、使用できません。
サリュでは、弁護士特約を契約しているA社と無保険車傷害特約の会社であるB社が別会社であることから、弁護士特約を使用しながら、無保険車傷害特約の保険会社と交渉することで、Tさんが弁護士費用を自己負担することなく十分な補償を得られるのではないかと考えました。
この方法は、かなりイレギュラーな方法ではあるものの、サリュは、A社と協議し、B社から回収した金額をベースに弁護士費用を算定することの合意を得ることに成功しました。
なた、サリュは受任後に後遺障害申請を行い、これまでの治療費等を回収するとともに、後遺障害等級併合12級を獲得しました。その後、Tさんが加入していた無保険車傷害保険会社へ交渉を行い、結果としてSさんは総額1300万円を超える保険金を受け取ることができました。