弁護士への依頼が費用倒れになるかどうかはどうやって判断したらいい?

この記事の監修者

弁護士 山田 洋斗

弁護士法人サリュ千葉事務所 所長弁護士
千葉県弁護士会所属
明治大学法科大学院卒業

【獲得した画期的判決】
・2021年8月 自保ジャーナル2091号114頁に掲載(交通事故事件)
・2022年 民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準上巻(赤い本)105頁に掲載
【交通事故解決件数】
1000件以上(2023年2月時点)

目次

事故後に待っている被害者の苦労

交通事故に遭って怪我をした場合、被害者は相手方保険会社に対して損害賠償請求をしていくことになりますが、事故後の相手方保険会社とのやりとりや、治療費の対応、後遺障害手続き等、被害者側はケガによる痛み以外にも精神的・肉体的に苦労することが多くあります。

弁護士に頼むことが一番

そんなとき、交通事故を多く扱う弁護士に依頼すると、賠償手続きの多くを任せることができ、治療に集中することができることはもちろん、慰謝料の増額交渉や適切な後遺障害等級の獲得など、多くのメリットがあります。

しかし、

「弁護士に依頼すると、高額な費用がかかりそう」

「依頼した結果、費用倒れにならない?」

など、弁護士に依頼することを躊躇する方もいるでしょう。

今回は、交通事故の損害賠償請求を弁護士に依頼して費用倒れになるかどうかの判断方法について解説したいと思います。

なお、弁護士費用については、自動車保険に付帯している弁護士費用特約の有無をまずは確認した方がよいでしょう。

なぜなら、多くの場合、弁護士費用特約があれば弁護士費用を自己負担することなく弁護士に頼むことができます。その場合、弁護士費用の負担を気にすることなく弁護士に依頼することができ、以下で説明する内容を気にする必要性がなくなります。

そのため、弁護士費用特約がある方の場合、事故直後から依頼するという方もいます。

弁護士費用特約についての詳細はこちらから

費用倒れになるかどうかのポイント

弁護士費用特約がない場合、弁護士費用は回収した賠償金の中から捻出することになります。

そのため、

①弁護士に依頼しない場合に保険会社と示談できる金額

②弁護士に依頼した場合に保険会社と示談できる金額

③支払う弁護士費用

がイメージできれば、弁護士に依頼するかどうかを判断できることになります。

弁護士に依頼しない場合に保険会社と示談できる金額

弁護士に依頼しない場合、相手方保険会社が検討した賠償金が支払われることになります。

しかし、この金額は保険会社や担当者によって異なるため、事前に予想することは難しいといえます。

相手方保険会社から示談提示がきたら

ただし、被害者の治療が終了し、損害額が確定すれば、相手方保険会社は損害賠償金を計算して示談提示をしてくるのが一般的です。

人身事故の損害賠償手続きの詳細はこちらから

その金額が出れば、後は②の弁護士に依頼した場合の示談額と③弁護士費用を検討すれば、費用倒れになるかどうかの判断が可能になります。

最近の保険会社から提示額をみていると、自賠責基準と同額の低い示談提示をしているケースが散見されます。そのため、保険会社から示談の提示があれば、示談書を返送せず、まずは増額の可能性について弁護士に相談することをおすすめします。

示談の提示がきていなくても弁護士に依頼して費用倒れにならないケース

では、治療中の段階や、相手方保険会社から示談の提示が来ていない段階では依頼しない方がいいのか?そう思う方もいるかもしれません。

しかし、治療状況、通院期間、ケガの内容、後遺障害の有無によっては、相手方保険会社から示談提示が来ない段階で弁護士をいれても費用倒れにならないケースはあります。

むち打ちで5か月以上、週2回程度のペースで整形外科に通院しているケース

私の経験上、被害者の過失が少ない事案(概ね無過失〜3割程度の過失)では、①むち打ちで5か月以上、週2回程度のペースで整形外科に通院していれば、治療中の段階から弁護士をいれても費用倒れになることなくプラスになる可能性がでてきます(もちろん、個々の事案によって異なるので、あくまで参考程度と考えてください。すでに多額の慰謝料の内払いがある場合等一部の場合は弁護士をいれた場合の増額幅は小さくなります)。

これは、交通事故で請求できる慰謝料は、自賠責基準と弁護士基準とで大きな差があり、この差は通院期間が長期になるほど顕在化するからです。そして、むち打ちの場合の弁護士基準の慰謝料は、79万円ですから、弁護士費用を考慮してもプラスとなる可能性が出てきます。

骨折等の重傷の場合

また、②骨折等の重傷の場合、支払われる慰謝料も高額になるうえ、治療期間も長期にわたる可能性が高いため、事故直後から弁護士をいれても費用倒れになることはあまりありません。

後遺障害の認定を受けている場合

さらに、③後遺障害の認定を受けている場合は、通院慰謝料のほかに後遺障害慰謝料、後遺障害逸失利益の請求項目が増えるため、増額幅は大変大きくなります。この場合も相手方保険会社から示談提示が来ない状況で弁護士をいれても費用倒れになることは少ないといえます。

相手方保険会社から示談提示があった場合や、費用倒れになるかどうか気になった方はまずは無料の法律相談をご利用ください。

状況に合わせた弁護士を入れるべき適切なタイミングをアドバイスいたします。

弁護士に依頼した場合に保険会社と示談できる金額

弁護士に依頼する最大のメリットは、慰謝料の増額です。

これについては、慰謝料について徹底的に解説したページがあるのでご覧いただければと思います。

交通事故でもらえる慰謝料について徹底解説!弁護士基準とは?弁護士基準を超える慰謝料がもらえる場合とは?

つまり、この慰謝料の増額幅さえわかれば、弁護士費用との兼ね合いで弁護士に依頼した方がいいのかがわかります。

たとえば、以下のケースを想定してみます。

・追突事故で過失割合が0:100

・頚椎捻挫(いわゆるむち打ち症)

・事故から5か月通院

・整形外科での通院は1か月に8回程度(週1.2回)

上記の例で通院慰謝料の増額幅を検討してみます(ここでは休業損害や交通費、治療費は検討しません。また、後遺障害の存在も考慮しません。)。

上記の例で計算される自賠責基準の慰謝料は、

4200円×2×8日×5か月=336,000

です(令和2年4月1日以降に発生した事故については4200円では4300円で計算します)。

※自賠責基準の慰謝料の計算方法はこちらのページから

他方で、弁護士基準で計算される慰謝料は、79万円(別表2)です。

※弁護士基準の慰謝料の計算方法はこちらから

弁護士基準満額で示談できないケースもありますので、仮に70万円の慰謝料で示談したとしても自賠責基準とは35万以上の差があることになります。

ただし、上記の例はあくまで参考と考えてください。実際に弁護士に依頼した場合にどれくらいの増額幅があるのかは案件により異なります。弁護士に依頼した場合の賠償金の増額幅が気になった方は、まずは無料の法律相談をご利用ください。

支払う弁護士費用

交通事故を多く扱っている法律事務所では、弁護士費用特約がない場合、法律事務所によって微妙に違いますが、以下の費用体系の場合が多いかと思います

20万円+賠償金獲得額の10%

(なお、弁護士法人サリュでは、できるだけ費用倒れとならないように15万円+賠償金獲得額の8%〜で依頼をお受けしております。)

弁護士法人サリュの弁護士費用の詳細はこちらから

一般的な法律事務所の費用体系の場合、例えば70万円の賠償金を獲得した場合には、手元に残るお金は以下のようになります。

20万円+(70万円×0.1)=27万(税込み297,000円)

消費税を考慮しても、40万円以上は手元に残ります。

なお、弁護士法人サリュにご依頼いただくと、15万円+(70万円×0.08)=206,000円となり、手元に残るお金は45万円以上となるため、ご依頼者様により多く賠償金を残すことができます。

弁護士法人サリュの費用体系は、高額な賠償金になるほど、お得になります。

いかがでしょうか。交通事故を弁護士に依頼した場合に、費用倒れになるかどうかのイメージがついたかと思います。

ただし、個々の案件によって弁護士に依頼した場合に費用倒れになるかどうかは検討が必要です。

弁護士に依頼した場合に費用倒れになるのかどうか気になった方は、まずは無料の法律相談をご利用ください。

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この記事の監修者

弁護士 山田洋斗
弁護士法人サリュ千葉事務所所長弁護士。2015年から2020年まで交通事故発生件数全国最多の愛知県において多くの交通事故案件を扱い、これまで1000件以上(2023年2月時点)の交通事故案件を解決に導いてきた。2020年6月から地元の千葉県において千葉事務所所長弁護士に就任。日々、千葉県で交通事故被害に悩んでいる被害者の救済に尽力している。

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